霞が関の省庁街へいかに短時間で駆けつけられるか。国家公務員宿舎の配置において、最も優先されてきたのがこの「緊急参集の容易さ」だ。災害や国会対応など、深夜・早朝の出勤を余儀なくされる若手や幹部職員にとって、都心の宿舎は文字通り命綱となってきた。
現在でも人気が集中するのは、千代田区九段や港区、目黒区東山、世田谷区池尻などに位置する宿舎だ。これらは主要路線へのアクセスが抜群で、大手町や霞が関まで電車で20分圏内という抜群の立地を誇る。しかし、近年の再編によって中央区や港区の超一等地に存在した大型宿舎の多くは廃止され、民間タワーマンションやオフィスビルへと姿を変えた。その結果、職員の住環境には大きな「立地格差」が生じている。