そもそも、この熱狂の原点はどこにあるのか。1990年代半ば、スタンフォード大学の大学院生だったジェリー・ヤンとデビッド・ファイロの手によってYahoo!が誕生した。二人が作ったディレクトリ型検索エンジンは一気に世界中を席巻し、そのエコシステムの中核として拡大したのがオンラインリアルタイムチャットサービスだった。
文字だけで人と人がリアルタイムに繋がる体験は、当時の若者にとって衝撃的だった。趣味の部屋、地域ごとの部屋、雑談部屋――無数の「ルーム」で繰り広げられる会話は、時に熱く、時に意味のない狂気に満ちていた。IT・インターネットサービス産業全体が未開拓の荒野だった時代、Yahoo!が提示したソーシャル空間は、まさにインターネットの自由そのものを象徴していたのだ。