全国のご当地麺マップを見渡しても、これほど異彩を放つ地域は稀だ。提供店舗の「自家製麺率100%」という驚異的な数値は、単なる数字の面白さではない。職人が毎日気候や湿度に合わせて粉をこね、熟成させ、丹念に手揉みを加えるクラフトマンシップの結晶なのだ。そして、その麺を受け止めるのが、日本海で獲れた飛魚(アゴ)を贅沢に使った澄み切ったアゴ出汁スープである。
名店ランキングの頂点に君臨する老舗群は、煮干しや昆布、豚骨を絶妙な塩梅でブレンドし、あっさりとしながらも深い余韻を残す。一方で、観光客の足が届きにくい住宅街の路地裏には、地元住民が世代を超えて通い詰める穴場店が存在する。伝統のアゴ出汁に新たなアプローチを加えた新進気鋭の店舗も登場し、味の層はかつてない深まりを見せている。