「洗脳のプロセスは恐ろしいほど整然としていた」——事件の全貌を知る捜査関係者はそう証言する。加害者が用いていたのは、心理学でいうマインドコントロールの手口そのものだった。まずターゲットの日常的な不安やトラウマを優しく聞き出し、共感を装って絶大な信頼を獲得する。その後、突如として「死の恐怖」や「家庭崩壊の予言」を突きつけ、パニック状態に陥らせるのだ。
正常な判断力を奪われた被害者は、提示された高額な「霊視料」や「霊感商法」の開運グッズを買うことしか救いがないと思い込まされていく。外部との連絡を断たせることで第三者からの助言を遮断し、マインドコントロールを固定化させる手法は極めて冷酷だ。被害者が自発的に金を差し出しているかのように見せかける工作も施されており、立証の壁を高くしていた要因となっていた。