80年代後半の日本のアニメーション産業において、ヒーローが敵を倒す爽快感やわかりやすい勧善懲悪は姿を消しつつあった。その決定打となったのが本作である。主人公と敵役が互いに個人的なエゴやトラウマを暴露し合いながら、泥臭く格闘するクライマックスは、当時のファンに強い衝撃を与えた。
このアプローチは、その後のSFロボットアニメの描写方針を根本から塗り替えた。ロボットは単なる合体兵器ではなく、搭乗者の歪んだ精神性や人間性を映し出す鏡として位置づけられるようになった。キャラクターを全善のヒーローや全悪の悪役として描かず、矛盾とエゴに満ちた生身の人間として提示した手法は、今なお続くアニメ表現の金字塔となっている。