上演当時、劇場に足を運んだファンや後世に記録を追ったファンの感想には、一様に「あまりの美しさに息をのんだ」「宝塚の枠を超えた大人の舞台」という熱い言葉が並びます。清く正しく美しくを重んじる宝塚の中で、悪の華を咲かせた『黒蜥蜴』は、観客に強烈なカルチャーショックを与えました。
特に高く評価されたのが、結末における黒蜥蜴の散り際です。絶対的な美を追い求めた果てに自ら毒を仰ぐ黒蜥蜴と、彼女の亡骸を抱く明智の姿は、多くのファンの涙を誘いました。「悪役でありながら最も気高いヒロイン」としての黒蜥蜴像は、宝塚ファンの心に永遠の記憶として刻まれています。