長年、所持や栽培のみを規制対象とし、使用そのものには罰則を設けていなかった大麻取締法。しかし、厚労省の「マトリ」こと厚生労働省麻薬取締部は、若年層への乱用拡大を防ぐという大義名分のもと、「使用罪」の新設を含む法改正へと大きく舵を切った。
歴史的な転換期を迎えた法改正の動向は、取り締まりの厳罰化を加速させる一方で、国際的なトレンドとの隔たりをより一層際立たせることになった。厳罰化によって違法ドラッグの撲滅を目指す行政側のロジックと、個人の権利や多様な価値観を重んじる議論が対立。高木氏の事件は、まさにこの法制見直しの議論が加熱する直前の試金石として、捜査機関のターゲットとなった側面を否定できない。