「愛してるの言葉じゃ足りないくらい」という冒頭のフレーズは、日本のポップス史において最も力強く、かつ叙情的な書き出しの一つだ。ストレートでありながら、どこか照れくささや切なさを漂わせるこの一行が、一瞬で聴く者の心を掴んで放さない。
草野マサムネの作詞術の真骨頂は、感情を過度に説明し尽くさない点にある。聴き手が自由に自分の思い出や感情を投影できる余白を残しつつ、言葉そのものが持つ響きと色彩で情景を鮮やかに浮かび上がらせる。この絶妙な引き算の美学こそが、何年経っても古びない強靭な耐久性を楽曲に与えている。