外側上顆炎が治らない本当の理由とは?長引く肘の激痛を脱する新常識

外側上顆炎が治らない本当の理由とは?長引く肘の激痛を脱する新常識

外側上顆炎が治らない本当の理由とは?長引く肘の激痛を脱する新常識とはどのようなものなのか? 詳しい意味を整理してお届けします。

診察室を訪れる患者から頻繁に聞かれるのが、「テニスなど一度もやったことがないのに、なぜテニス肘なのか」「外側上顆炎とテニス肘には違いがあるのか」という疑問です。結論から言えば、医学的な正式名称が上腕骨外側上顆炎であり、その俗称が「テニス肘(テニスエルボー)」です。かつてバックハンドストロークの反復で多発したことから名づけられましたが、日本整形外科学会の統計を見ても、実際の患者の7割以上はスポーツ歴のないデスクワーカーや手作業従事者で占められています。

この病態の本質は、肘の外側にある小さな突起部分に付着している短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん:ECRB)の起始部に過度な牽引ストレスがかかり続けることにあります。この筋肉は「手首を手の甲側に反らせる」動作や「指を力強く伸ばす」動作を司っており、タイピング、重い荷物の運搬、フライパンを振る動作、スマートフォンの片手保持などで常に緊張を強いられています。

自身の肘の痛みが外側上顆炎によるものかどうかは、整形外科の徒手検査に基づいたセルフチェックである程度見極めることが可能です。

【3大徒手検査によるセルフチェック】

  1. トムセンテスト(Thomsen test):肘をまっすぐ伸ばした状態で手首を反らせ、もう一方の手で上から手首を押し下げるように抵抗をかけます。手首を反らし続けようとした際、肘の外側に鋭い痛みが生じれば陽性です。
  2. チェアテスト(Chair test):肘を伸ばし、手のひらを下(床向き)にした状態で、椅子の背もたれや水を入れたペットボトルを片手で持ち上げます。持ち上げた瞬間に肘外側に痛みが走る場合は外側上顆炎が疑われます。
  3. 中指伸展テスト(Middle finger extension test):肘を伸ばした状態で中指を反らせ、その中指の先を反対の手で下方向へ押さえつけます。中指を持ち上げようと抵抗した際に肘外側が痛む場合、まさに短橈側手根伸筋へ直接的な負荷がかかっている証拠です。

これらのテストで痛みが誘発される場合、単なる筋肉痛や一時的な疲労ではなく、腱付着部の組織変性が進行している可能性が極めて高いと判断できます。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。