ネット上の一部では「新紙幣への対応は国の政策なのだから、補助金で全額賄えるはずだ」「改修しないのは店舗の単なる怠慢」という論調が見受けられます。しかし、この言説は制度の実態を反映していません。新紙幣対応券売機補助金として活用される主な制度には、厚生労働省の「業務改善助成金」や経済産業省関連の補助金が存在しますが、これらは「事業場内最低賃金の引き上げ」や「生産性向上のためのシステム導入」といった極めて厳しい交付要件が課されています。
単に「既存の両替機を新札対応にする」という名目だけでは助成金の対象外となるケースが多く、対象となった場合でも補助率は費用の2分の1から4分の3程度にとどまり、満額が出るわけではありません。数十万円から百万円規模の自己負担は避けられず、手続きに必要な煩雑な書類作成コストも小規模事業者には高いハードルです。
「それでは両替機新札対応いつから全国規模で完了するのか?」という問いに対し、専門家の間では「すべての現金両替機が新札対応になる日は来ない」という見解が有力視されています。多くの事業者は、高額な両替機をわざわざ更新するのではなく、耐用年数が切れるタイミングで現金両替機そのものを撤去し、バーコード決済やタッチ決済に対応したキャッシュレス端末へ直接移行する選択を取り始めているためです。