「たかが鳥のフン、次の雨や洗車まで放置しておけばいい」という判断は、愛車の資産価値を一瞬で損なう致命的な過ちです。鳥のフンは単なる有機物の汚れではなく、強力な化学薬品に近い攻撃性を秘めています。
鳥には尿道がなく、糞と尿を「総排出腔」と呼ばれるひとつの器官から同時に排泄します。白いペースト状の部分は濃縮された尿酸結晶であり、その液性はpH3〜4の強酸性です。さらに、カラスやハトが摂取した微小な砂利や未消化の木の実の種子など、研磨剤のように塗装を削り取る固形物が混入しています。
放置されたフンが夏場の直射日光に晒されると、車の鋼板温度は容易に70℃を超えます。熱によってクリア塗装樹脂が膨張してフンを包み込むように軟化し、夜間に冷却されて収縮する過程で、酸性成分がクリア層の分子構造内部深くまで浸透します。その結果、洗車しても絶対に取れない白濁したクレーター状のシミや、最悪の場合は塗装面の浮き・剥がれへと発展します。