まいばすけっとの公式サイトに掲載されている店舗一覧を確認すると、展開エリアは東京都、神奈川県、千葉県(湾岸部・総武線沿線中心)の1都2県に限定されています。埼玉県内の店舗数は、政令指定都市であるさいたま市や、東京に隣接する川口市、戸田市を含めても完全に0店舗です。
「川口や戸田なら東京と地続きで人口密度も申し分ないはずなのに、なぜ出店しないのか」という疑問はもっともです。しかし、流通アナリストやイオングループ関係者の証言を総合すると、単なる人口密度だけでは測れない「都市型小型スーパー特有の出店基準」が横たわっています。
まいばすけっとが利益を出すための生命線は、半径500メートル以内の徒歩圏に暮らす単身世帯および共働き世帯の日常需要を囲い込むことです。東京都心部や横浜・川崎エリアは、道幅が狭く大型スーパーが物理的に入れない住宅密集地が無数に存在します。一方、荒川を越えた埼玉県側は、たとえ駅前であっても少し歩けば平坦な土地が広がり、自転車や車でアクセスできる中・大型スーパーがすでに網の目のように配置されています。極小商圏で薄利多売を成立させるビジネスモデルにとって、この地形的・住環境的な差異は出店可否を分ける決定打となります。