多くの人が「発疹と湿疹は別々の病気である」と誤解していますが、医学的な視点における答えは極めて明快です。「発疹(ほっしん)」という巨大なカテゴリーの中に、「湿疹(しっしん)」という代表的な病態が含まれています。つまり、湿疹は発疹のバリエーションの一つに過ぎません。
皮膚科学において、皮膚に現れる色や形のあらゆる変化を「発疹」と呼びます。これには赤み(紅斑)、ブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(小水疱)、膿(膿疱)、さらにはアザやイボに至るまで、目に見える皮膚トラブルのすべてが該当します。一方、湿疹とは、かゆみを伴い、赤みから始まってブツブツ、水ぶくれ、ジュクジュクとしたただれ、かさぶた、そして皮むけへと多彩に形を変えながら進行する「皮膚の表層的な炎症反応」を指す臨床用語です。
さらに日常で混同されやすいのが、発疹と湿疹と蕁麻疹の違いです。湿疹が数日から数週間かけてじわじわと症状を変化させるのに対し、蕁麻疹(じんましん)は皮膚の血管から血漿成分が漏れ出ることで、突然蚊に刺されたようなミミズ腫れ(膨疹)が現れます。そして最大の特徴は、通常数十分から24時間以内に跡形もなく完全に消退する点にあります。「昨日からずっと同じ場所がジュクジュクして赤い」なら湿疹の可能性が高く、「急に強いかゆみと盛り上がりが現れ、数時間で別の場所に移動した」なら蕁麻疹が強く疑われます。