1961年の第1作『娘と私』から数えて第100作という巨大な節目を迎えた連続テレビ小説『なつぞら』。制作統括の磯智明チーフプロデューサーをはじめとする番組制作陣が主題歌アーティストの選定に入った際、真っ先に挙がったのがスピッツの名前でした。
起用の決定打となったのは、「過酷な冬を乗り越えて力強く芽吹く、北海道の春の息吹を音楽で描き出せるのはスピッツしかいない」という制作陣の熱烈な確信です。朝ドラのテーマ曲には毎朝聴いても聴き飽きない軽やかさと、困難に立ち向かう主人公に寄り添う温もりが不可欠。スピッツが長年培ってきた、哀愁を帯びながらもどこか光を感じさせるポップセンスは、まさに『なつぞら』が描く開拓者精神と完全に合致していました。
オファーを受けたフロントマンの草野マサムネは、曲作りに先立ち物語の舞台である北海道・十勝地方を実際に訪問。雪解けの季節に現地を歩き、澄み切った空気や厳しい自然環境、そこに暮らす人々の息遣いを肌で体感した経験が、「優しいあの子」の骨格を形作ることになりました。