本作の歌詞が持つ普遍的な魅力は、「願いが叶う」という現象を壮大なファンタジーとして描くのではなく、日常の些細な巡り合わせや大切な人との再会として捉えている点にあります。
タイトルにも冠されたフレーズは、一見すると無邪気な幸運を喜ぶ言葉に聞こえます。しかし行間を読み解くと、そこには「思い通りにいかない日々を重ねてきたからこそ、ささやかな日常の奇跡に気づくことができる」という大人の諦念と救済が通底しています。傷つきながらも前を向く登場人物たちの心情を描いた『特捜9』のドラマ性とも深く呼応し、聴き手の背中をそっと押し出すポジティブな余韻を残します。
さらに特筆すべきは、綿密に計算された歌割りです。AメロやBメロでは各メンバーの持ち味を活かしたリレー形式が採用され、落ち着いた低音部から伸びやかな高音部へとスムーズにバトンが渡されます。坂本昌行・長野博・井ノ原快彦からなる「20th Century(トニセン)」の安定感あるボーカルと、森田剛・三宅健・岡田准一からなる「Coming Century(カミセン)」のエッジの効いた声色が交錯し、サビで全員のユニゾンへと昇華する構成は、6つの異なる個性が一つに溶け合うV6の真骨頂といえます。