「一生に一度あるかないかの珍事なのか、それとも日常的に起こり得ることなのか」。世論調査の着信に遭遇した多くの人が抱くこの疑問に対し、報道各社が公表しているサンプリング数および総務省の通信統計データを基に確率を算出しました。
大手新聞社やテレビ局各社が毎月実施する全国定例世論調査では、1回あたりの有効回答目標数を1,000〜2,000サンプル程度に設定しています。この有効サンプル数を確保するために発信される架電総数は、固定電話と携帯電話を合わせて1社あたりおよそ3,000〜5,000件規模です。主要メディア約6〜8系列が毎月調査を行い、選挙前などの特番時期にはさらに頻度が増加します。
固定電話契約数が約1,300万件前後にまで減少している現状において、固定電話を保有している家庭に年間で少なくとも1回以上の世論調査着信がある確率は約1.5%〜3.2%と推計されます。30〜40世帯に1件という計算になり、10年間同じ固定電話を契約し続けていれば、2〜3割の世帯が一度は着信を経験する計算です。
対照的なのが携帯電話です。国内で稼働している携帯電話契約数(090/080/070から始まる音声通話枠)は1億6,000万回線を超えています。報道各社が携帯電話向けに発信するサンプル枠を考慮しても、個人のスマートフォンに特定の1年間で世論調査の着信が入る確率は約0.03%〜0.08%(およそ1,500人〜3,000人に1人)にとどまります。日常会話で「スマホに内閣支持率調査の電話が来た」という人が極めて稀である背景には、この圧倒的な分母の大きさが存在します。