インターネット上の手相解説や占い掲示板において、両手ますかけ線はしばしば「持っているだけで将来の成功や富が約束された無敵の手相」と過大に美化される傾向があります。しかし、実際の臨床鑑定データを精査すると、この見解には大きな盲点が存在することが分かります。
第一の誤解は、「ますかけ線=自動的な成功の保証」という神話です。手相学におけるエネルギーの総量が多いことは事実ですが、それを注ぎ込む対象や明確な目標が見つからない場合、その莫大なエネルギーは内向し、深刻な無気力や自暴自棄、あるいはギャンブルや過剰な自己顕示欲といった破滅的な方向へ暴走する危険性を孕んでいます。「大器晩成」と言われる所以も、自らのコントロール法を習得するまでに多大な時間と手痛い人生経験を必要とするためです。
第二の誤解は、「ますかけ線を持つ人間は冷酷で他人の気持ちが分からない」というレッテルです。感情線が独立していないため感情が希薄であると誤解されがちですが、実際はその逆です。感情と理性が直結しているため、一度心を許した相手や自らが信じる大義に対しては、常人をはるかに凌駕する情熱と自己犠牲の精神を発揮します。単に「どうでもいい関係に対する愛想笑い」が苦手なだけであり、その不器用な誠実さが誤解を生む原因となっているのです。