津波で流されないヘーベルハウスの真相|実話と構造の秘密を徹底解明

津波で流されないヘーベルハウスの真相|実話と構造の秘密を徹底解明

津波で流されないヘーベルハウスの真相|実話と構造の秘密を徹底解明にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

なぜヘーベルハウスは、津波や濁流の猛烈な水圧、そして漂流物の直撃に耐え抜くことができたのでしょうか。その理由は、奇跡や偶然ではなく、旭化成ホームズが培ってきた緻密な構造設計にあります。

最大の防壁となったのは、支持地盤まで確実に打ち込まれる強固な杭基礎設計です。一般的な木造住宅に多い布基礎やベタ基礎だけの場合、地表面が水流によって削り取られる「洗掘(せんくつ)」が起きると、建物ごと浮上・転倒して押し流されてしまいます。ヘーベルハウスでは、建築前の綿密な地盤調査に基づき、地下数十メートルの強固な地盤(支持層)まで鋼管杭などを貫入させる工法を標準採用しています。この杭が強大なアンカー(錨)の役割を果たし、激流による水平方向の押し流し力や浮力に対して驚異的な引き抜き耐力を発揮しました。

次に挙げられるのが、強靭な鉄骨構造と耐震等級3を誇る躯体剛性です。地震の揺れを効率的に吸収する「ハイパワードクロス」や重量鉄骨フレームは、水流によるねじれや外圧に対しても圧倒的な強度を誇ります。さらに外壁に用いられるALCコンクリート(ヘーベル板)は、内部に幾重もの鉄筋網を配した厚さ75mmの軽量気泡コンクリートであり、高圧の水流や木材・車両などの漂流物が衝突しても容易に外壁が突き破られない高い耐衝撃性を備えています。

工学的な分析では、1階のサッシ窓が水圧で割れて室内に水が流入したことも、結果として内外の水圧差を相殺し、建物全体にかかる浮力を逃がして転倒を防ぐ要因として働いたと指摘されています。躯体そのものが強靭であり、基礎から引き抜かれなかったからこそ成立した力学的現象です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。