事態が動いたのは、誰もが予想だにしなかった週半ばの早朝だった。かねてより水面下で裏付け捜査を進めていた警視庁の特捜班が機を捉えて行動を起こし、電撃的な身柄拘束へと踏み切ったのだ。過熱する事件報道の裏側で、メディア陣営は一刻を争う取材合戦を繰り広げ、テレビ局の報道フロアや新聞各社の社会部には怒号が飛び交った。
警察実録ドキュメンタリーさながらの緊張感が漂う現場の捜査手法と、綿密に積み上げられた証拠網。長年業界の第一線で活躍してきたキーパーソンが突如として捜査の対象となったことで、関係者が受けたショックの大きさは計り知れない。取材に応じたある民放キー局の報道デスクは、「通常のトラブル対応とは次元が違う。裏付けが取れた瞬間、誰もが言葉を失った」と唇を噛む。