なんでも鑑定団「値段がつかない」真相!国宝級から法律Ngまで徹底解剖

なんでも鑑定団「値段がつかない」真相!国宝級から法律Ngまで徹底解剖

なんでも鑑定団「値段がつかない」真相!国宝級から法律Ngまで徹底解剖にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

美術品やアンティークの鑑定において、鑑定士が最も神経を尖らせるのが法制度のコンプライアンスです。個人の蔵から発見された古い遺品であっても、現代の法規に照らし合わせて「違法」となる物品については、番組は放送上、価格をつけることが一切許されません。

代表的な事例が、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」および国内法である「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」に基づく規制です。象牙の一本牙は、環境大臣および農林水産大臣の登録を受け、一般財団法人自然環境研究センターから発行された「登録票」がなければ、売買はおろか譲渡やオークションへの出品、さらにはそのための査定評価すら法律で厳しく規制されています。登録証を紛失した状態でスタジオに持ち込まれた場合、鑑定以前に「法的手続きの不備」として査定拒否の対象となります。

同様の厳罰規定を持つのが、「銃砲刀剣類所持等取締法」です。日本刀や火縄銃などの古式銃砲は、各都道府県の教育委員会が発行する「銃砲刀剣類登録証」が本体と対になっていなければ、所持すること自体が不法所持の罪に問われます。登録証のない刀剣は、たとえ名工・正宗の作であろうと市場価格をつけることは不可能であり、まずは警察への発見届と教育委員会の審査会を経なければなりません。

さらに近年、美術館やオークションハウスが最も警戒しているのが「盗難品・不正流出文化財」の存在です。日本国内の寺社から過去数十年の間に盗難された仏像や絵画が、転売を重ねて一般の収集家の手に渡っているケースは少なくありません。古物営業法上、盗難届が出ている物品は没収・返還の対象となるため、鑑定士がその出自に疑義を抱いた段階で、番組側は査定を中止せざるを得ないのです。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。