実写化映画における「当たり役」という言葉だけでは、到底語り尽くせない。楊端和というキャラクターは、原作ファンにとっても神聖視される特別な存在だ。仮面を脱いだ瞬間に露わになる美貌と、数多の猛者を束ねる絶対的な王者の威厳。その両立という極めて難度の高いハードルを、彼女は見事に飛び越えてみせた。
画面狭しと躍動するその姿は、日本映画の歴史においても屈指の美しさと迫力を誇る。冷徹でありながら温かい眼差し。部下を鼓舞する力強い第一声。まさに原作から抜け出してきたかのような説得力で、観客を一瞬にして古代中国の戦乱の世界へと引きずり込んだのだ。