では、多毛や直毛で悩む人はどのように対処すべきなのでしょうか。ヘアメイク現場で実践されている「物理的アンカー(錨)」を作るテクニックを取り入れれば、ベースに太いヘアゴムを使わなくともビクともしないホールド力を手に入れられます。
最初に見直すべきはバレッタが崩れない位置の選定です。耳の一番高い部分から後頭部へ向かって指をすべらせ、後頭部の骨が最も張り出している部分(後頭結節)のわずか1cm上の窪みに金具を据えます。この位置は頭部の傾斜が切り替わる境界であり、重力による下垂圧を骨格が受け止めてくれるスイートスポットです。
毛量が多い人におすすめなのが、挟む毛束の「表面だけを間引くインナーブロッキング」です。耳上の髪をすべてまとめて留めるのではなく、耳上の毛束を上下2層にスライスし、下層の毛束をあらかじめスモールピンでクロス留めして土台を作ります。そのピンの交差地点をすくうようにバレッタの下刃を差し込み、上層の髪をかぶせてパチンと留めるだけで、挟む髪の量を半分に減らしつつ強固な保持力を生み出せます。
また、ハーフアップ バレッタ くるりんぱを組み合わせる技法は、もっとも手軽で失敗がありません。細めのシリコンゴムで一度ハーフアップを作り、くるりんぱを行ってできた「ねじれの割れ目」の奥深く、頭皮すれすれの髪を少量巻き込みながらバレッタを通します。ねじれた毛流れがストッパーの役目を果たすため、走ったり強風に煽られたりしても位置がズレることがありません。