ファンの間で長年囁かれ続けている最大の謎が、「中の人は足立歩(あだち あゆむ)氏ではないか」という説だ。足立氏はかつてアクション俳優や体操インストラクターとして活動していた人物で、卓越した身体能力と表現力を持っていたことから、初期のスーツアクターとして名前が浮上した経緯がある。
しかし、確たる証拠が公表されたことは一度もない。関係者の証言を丹念に拾い集めても、返ってくるのは決まって「つば九郎はつば九郎であり、中に人などいない」という徹底した鉄壁の回答だ。球団側もこのファンタジーを頑なに守り抜いている。
興味深いのは、交代説を否定する声の多さだ。1994年のデビュー以来、独特のだらしなくも愛嬌のある歩き方、スケッチブックに文字を書く際の間合い、さらにはスタッフや選手への絡み方に至るまで、驚くほど一貫した個性が保たれている。仮に歴代担当者が複数存在していたとしても、その「魂」とキャラクター性は極めて厳格に継承されているか、あるいは同一人物が驚異的な職人技で演じ続けていると考えるのが自然だろう。