理路整然とした語り口と圧倒的な推進力。その土台は、東京大学大学院で培った工学的な思考フレームワークにある。緻密な仮説検証と数理的なアプローチは、新卒で入社した世界的戦略コンサルティングファームのA.T.カーニーでさらに研ぎ澄まされた。
大企業の経営課題を解決するコンサルタントのキャリアは順風満帆だった。しかし、彼の視線は自らリスクを背負い事業を生み出す現場へと向かう。2012年、女性向けファッションECを展開する株式会社ミューズコーを創業。ゼロからの立ち上げ、資金繰りのプレッシャー、泥にまみれるような泥臭いオペレーションの構築。スタートアップの洗礼を全身で受け止めながら、わずか数年で同社を大手IT企業へ約18億円でバイアウトさせた。
この電撃的な事業売却によって、彼は若手起業家としての確固たる地位と十分なキャピタルゲインを獲得する。だが、その成功すらも次なる巨大な挑戦へのプロローグに過ぎなかった。