インターネット上の掲示板やSNSでは、「すっぴんで可愛いかどうかは、結局のところ親から譲り受けた二重幅や鼻の高さで9割決まる」といった極論が散見されます。しかし、これは美容皮膚科学や視覚心理学の観点から見れば、明らかなミスリードです。
いくら目鼻立ちが整ったいわゆる「美人骨格」であっても、肌が極度に乾燥して粉を吹いていたり、目の下に青黒いクマが濃く刻まれていたり、唇がガサガサに荒れていては、周囲に「疲弊した印象」や「生活の乱れ」を強く印象づけてしまいます。人間は他者の顔を見る際、骨格の造形以上に「色彩情報(血色、透明感、色むらの有無)」から健康状態と若々しさを無意識にスキャンしているためです。
もう一つの大きな誤解は、「SNSで見かけるすっぴん可愛い人は、完全なノーメイクである」という錯覚です。実際には、トーンアップ下地や色付きリップバームを仕込んだ「すっぴん風メイク」であったり、眉のアートメイクやまつ毛パーマ、丁寧なスキンケア直後の水分に満ちた状態を巧みに撮影しているケースが少なくありません。「何も手を加えていない状態」を無防備に晒すことと、「計算された清潔感を保つこと」は同義ではないのです。