下町と最先端が激突する東東京、再開発とカルチャーの全貌を追う

下町と最先端が激突する東東京、再開発とカルチャーの全貌を追う

下町と最先端が激突する東東京、再開発とカルチャーの全貌を追うを徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を凝縮して配信します。

見上げる空を鋭く突く東京スカイツリーの足元で、街の輪郭が急速に書き換えられている。東武鉄道が主導する高架下や水辺の再編事業は、従来の観光インフラの枠組みを軽々と飛び越えた。木造住宅が密集していたエリアには新たな商業複合施設やマイクロブルワリーが誕生し、週末になれば国内外から感度の高い若者たちが押し寄せる。だが、この変化は単なるスクラップ・アンド・ビルドではない。東京都が推し進める広域的な都市開発計画のなかでも、東部エリアは「歴史的景観の保全」と「次世代産業の誘致」という極めて難度の高い二律背反を抱えながら舵を切っている。

「最初は立ち退きや再開発への不安しかなかった」と、押上で半世紀続く乾物屋の店主は苦笑いを浮かべながら語る。しかし、新しく移り住んできた若手起業家たちが毎日のように顔を出し、老舗の素材を使った新商品を共同開発し始めたことで空気は一変した。下町情緒という無形の財産を切り捨てず、最先端のビジネスエコシステムと掛け合わせる試み。観光消費のみに依存していたかつてのモデルから脱却し、クリエイティブ産業が自走する経済圏へのシフトが、この路地の奥深くで着実に実を結びつつある。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。