「生の果実」「ストレートジュース」「濃縮還元ジュース」の3者において、栄養価にどのような差が生じるのかを科学的データに基づいて比較します。
代表的なオレンジジュースの場合、熱に弱い天然のビタミンC含有量は、生搾りやストレートジュースと比較して、濃縮工程を経たジュースでは約20%〜30%程度低下することが各研究機関の分析で示されています。ただし、商品によっては酸化防止目的でビタミンCが添加されているため、パッケージに記載された総ビタミンC量では濃縮還元ジュースのほうが数値上高くなっている逆転現象も珍しくありません。
一方で、血圧降下作用や体内のナトリウム排出を促すカリウム、抗酸化作用を持つヘスペリジン(ビタミンP)やβ-クリプトキサンチンなどのファイトケミカルは、熱に対して比較的安定しています。そのため、濃縮還元であってもストレートジュースとほぼ同等の栄養価値を維持しています。
決定的な違いは「不溶性食物繊維」にあります。ストレートであれ濃縮還元であれ、搾汁フィルターを通す過程で果肉の繊維質(パルプ)の大部分が除去されます。整腸作用や糖の吸収を穏やかにする食物繊維の恩恵を最大限に得たいのであれば、加工ジュースではなく生の果実をそのまま咀嚼して摂取することが最も合理的です。