「ブリーチをしないとアッシュの透明感は出ない」という認識は、近年の薬剤進化によって大きく塗り替えられました。日本人の地毛にはメラニン色素のうち「ユーメラニン(黒〜赤褐色)」が多く含まれており、これがカラー後の嫌な赤みやオレンジみの原因となります。ブリーチなしでアッシュを発色させる本質は、「ベースの明度(明るさ)を適度に上げながら、補色となる青・青紫・緑の染料を高密度に打ち込むこと」にあります。
現在サロンワークで主流となっているアディクシーカラーの赤み消し処方や、イルミナカラーのアッシュ設計は、従来のアルカリカラーに比べてブルー・グレイ・バイオレットの染料濃度が極めて高く作られています。これにより、メラニンを脱色しすぎることなく、光に透けた瞬間だけグレーやオリーブが顔を出す特有のシアーな質感が生まれます。
特に黒髪からアッシュをブリーチなしで入れる場合、1度の施術でリフトできる明るさは8〜10トーン前後が限界です。しかし、この限られたリフト力の中でも、補色計算を正確に行うことで、重たい印象を与えない軽やかな抜け感を作り出すことができます。