敷地内に点在する茶室群は、その極めて高い文化的価値から国登録有形文化財として指定されている。文化庁の評価においても、日本の伝統的な数寄屋建築が自然地形と完璧に調和した稀有な事例として高く位置づけられているのだ。
建築の細部に目を向けると、規格化された建材は一切使われておらず、歪みのある自然木や変形した竹、素朴な土壁が見事な造形美を形作っている。白雲洞をはじめとする茶室は、気候の変動や風雨に晒されながらも、巧みな職人技による修復を経てその姿を保ち続けている。単なる鑑賞対象ではなく、生きている文化財として今なお使用されている点こそ、本物の価値と言えるだろう。