「世界一怖い絵」の文脈において、極めて悪質な誤解として長年信じ込まれてきたのが「自ら命を絶った少女が描いた最後の絵」というデマの存在です。
2000年代初頭から中盤にかけてのインターネット黎明期、ある日本人イラストレーターや海外のデジタルアーティストが制作した繊細で少し物憂げな少女のCGアートが、掲示板等に無断転載されました。その際、閲覧数を稼ぎたい転載者によって「描いた少女はすでに死亡している」「絵を5分間見つめると少女の口元が歪む」「男性がこれを見ると数日中に同じ死に方をする」といった完全なフィクションが勝手に付与されたのです。
元々の作者が公の場で生存を明かし、自身のオリジナル作品であることを表明したにもかかわらず、恐怖を求めるネットユーザーの間で怪談のほうだけが一人歩きして定着してしまいました。現代のSNS環境でも、出所不明の画像にショッキングな設定を貼り付けて拡散する「恐怖のミームロンダリング」は頻繁に発生しており、情報の一次ソースを確認する姿勢が不可欠です。