南沙織の名曲をカバーした1989年の『17才』は、まさに時代が彼女の存在を決定づけた瞬間だった。派手な超ミニスカートとスパンコールが輝く衣装。眩いほどの脚線美は、テレビ画面を突き抜けて日本中に「美脚ブーム」を巻き起こした。しかし、本人は当初、あの独特な衣装に対して戸惑いを隠せなかったという。
「アイドルとしての型にはまりたくない」――そんな葛藤の中で生まれたのが、あえて逆手にとるド派手なビジュアル戦略だった。スタイリストとの試行錯誤の末に完成した衣装は、単なる露出ではなく、洗練されたポップアートとして提示された。ステージ上で鮮やかに舞う姿は、観客の度肝を抜いた。当時の秘蔵エピソードとして語られるのは、彼女自身が衣装の裾の長さや素材の光り方にまで細かく意見を出していたことだ。視覚的なインパクトと音楽性を共存させるための知恵が、あの伝説的スタイルの舞台裏にぎっしりと詰まっていた。