大物俳優の訃報に伴い、常に取り沙汰されるのが膨大な遺産相続のゆくえだ。中尾彬さんが残した資産や著作権、不動産の扱いについて、前妻の息子である学氏との間で法的な紛争が懸念された時期もあった。
だが、真相は拍子抜けするほど静かなものであった。生前に中尾さんと池波さんが進めていた断捨離と権利関係の整理により、相続を巡るトラブルは表面化しなかった。学氏側もまた、父の遺産に対して過剰な要求を立てることなく、静観の姿勢を保ったという。確執や愛憎を乗り越え、それぞれの人生を独立して完結させるという、大人としての分別ある決断がそこにはあった。