世界的な食糧動向を追う国連食糧農業機関 (FAO)の報告書によれば、プレミアム米市場は世界中で急成長を遂げている。中でも圧倒的な輸出シェアを誇るのがインドだ。APEDA (インド農産加工食品輸出振興庁)の貿易統計を紐解くと、北米や欧州だけでなく、アジア太平洋地域への輸出量が著しく伸びていることがわかる。もはや特定の地域文化ではなく、世界標準の「美食の選択肢」として定着した格好だ。
この世界的流行の背景には、消費者の食に対する意識の変化がある。ただお腹を満たすためではなく、食事体験そのものの質や香りを楽しむ文化が広まった。アグリビジネス・食品産業の世界的食糧マーケターも「バスマティ特有のアロマ成分である2-アセチル-1-ピロリンは、脳を刺激し強い満足感を与える」と分析する。単なる主食の代替ではなく、プレミアムな体験価値として人々を惹きつけているのだ。