「まさかジュピターが」――悲鳴に近い声が上がる背景には、同社が日本の輸入食品ブームを長年牽引してきたパイオニアであった事実がある。独自のルートで買い付ける希少な欧州菓子や自社焙煎のコーヒー豆は、根強いファンを惹きつけてやまなかった。
しかし、市場の景色はここ数年で激変した。カルディコーヒーファームをはじめとする同業チェーンの急成長により、主要立地での顧客獲得競争は苛烈を極めた。そこへ襲いかかったのが、記録的な円安だ。輸入食品専門店というビジネスモデルゆえに、仕入れコストの跳ね上がりを即座に価格へ転嫁できず、採算性は急速に悪化していった。