インターネット上の質問掲示板やSNSで定期的に浮上するのが、「ぎんじろっちをさらに育てるとおやじっちになるのか?」という議論です。長年ささやかれてきたたまごっちおやじっち進化の噂ですが、プログラムレベルのファクトチェックを行うと、これは明白な誤謬(ごびゅう)です。
初代たまごっちにおいて、隠しキャラクターである「おやじっち」へ変態できる唯一の個体はますくっちのみです。たまっちから進化したぎんじろっちは、寿命を迎えて星に還るまでぎんじろっちのまま一生を終えます。ではなぜ、ぎんじろっちがおやじっちの前段階だという風評が30年近くも信じられてきたのでしょうか。
背景には、90年代の攻略本における曖昧な記述と、ぎんじろっちのキャラクタープロファイルがあります。「下町の頑固オヤジ」「演歌好きで情に厚い」というぎんじろっちの公式設定と、一本眉毛で哀愁を漂わせるおやじっちのビジュアル的属性が、当時の小学生たちの記憶の中で混濁しました。さらに、アダルトっちの中で共に長命を誇るツートップであったことから、「ぎんじろっちを極限まで長生きさせるとおやじっちに脱皮する」という都市伝説が定着したのです。