ネット上の簡易的なまとめ記事やテレビの断片的な特集では、「声量の大きいフォークシンガー」「『長い夜』のヒットメーカー」といった一面的なイメージで語られがちです。しかし、これは彼の音楽的本質を見誤る原因となります。
実際の松山千春は、デビュー当初から緻密なストリングスアレンジやフュージョン・AORの要素を柔軟に取り入れた先駆者でした。また、政治的・社会的な発信がクローズアップされることも多いですが、楽曲の根底にあるのは徹底した「個人の哀歓への寄り添い」です。メドレーを時系列で追っていくと、過剰な装飾を削ぎ落とした弾き語り曲にこそ、シンガーソングライターとしての真髄が宿っていることが明確に分かります。