物語の中盤、油屋の浴場に現れた異臭を放つ「腐れ神」。千尋たちの懸命な湯治によって、その身に溜まっていた不法投棄のゴミや自転車が引き抜かれ、ついに真の姿である「名のある河の神」へと戻る。爽快な笑い声とともに神が千尋の手元に残していった小石のような物体、それが「にがだんご」である。
作中での描写を見る限り、この団子は単なる栄養剤や薬草の固形化ではない。人間社会によって汚された河川が、千尋の手によって清められたことへの感謝と恩返しであり、自然界の浄化エネルギーそのものが凝縮された聖なる霊薬なのだ。千尋自身も一口かじって「苦い!」と顔を歪めたが、ただ不味いだけの存在ではない。体内に入った害悪や異物を力づくで体外へ排泄・吐き出させるという、強力なデトックス効果を持っていた。