そもそも期日前投票制度は、有権者の投票機会を拡大し、投票率向上を図る目的で2003年に創設された。公職選挙法第48条の2には、投票当日に自らの投票所で投票できない事由として、仕事や学業、冠婚葬祭、旅行やレジャー、さらには天災や悪天候などが挙げられている。
自治体の選挙管理委員会が用意する宣誓書には、これらの理由が選択肢として並んでいる。有権者は該当する項目にチェックを入れるか、丸をつけるだけで済む。厳密な証明書類の提出は要求されない。
制度の本質は「投票当日に都合が悪い人の権利を守る」ことにある。総務省の担当者も「事由の細かな検証よりも、有権者が円滑に一票を行使できる利便性の確保に重点が置かれている」と説明する。過度に警戒して投票を諦めることこそが、制度の意図に反する結果を生んでしまうのだ。