団野村が日本球界に持ち込んだ最大の遺産は、スポーツエージェントという職能そのものの定着である。彼が登場するまで、日本には選手個人が専門家を雇って球団と対等に年俸交渉を行うという発想そのものが希薄だった。
KDNスポーツマネジメントの台頭は、国内におけるスポーツマネジメント産業の誕生を力強く促した。弁護士や公認会計士がアスリートのキャリア形成に伴走し、資産管理から肖像権ビジネス、セカンドキャリアの設計までを包括的にサポートする。現代のトップアスリートが享受している当たり前の権利構造は、かつて団がメディアのバッシングを一手に引き受け、泥をかぶりながら切り拓いた荒野の上に築かれたものだ。