彼のキャリアを語る上で欠かせないのが、インターネットカルチャー発の先駆者としての側面です。2009年、音声合成ソフト・初音ミクを用いたボカロP「ハチ」として活動を開始。『結ンデ開イテ羅刹ト死骸』『マトリョシカ』『パンダヒーロー』といった中毒性の高い楽曲でニコニコ動画の伝説となりました。
2012年に本名である米津玄師名義でのソロ活動へ舵を切り、1stアルバム『diorama』をリリース。その後、ドラマ『アンナチュラル』の主題歌となった2018年の『Lemon』が社会現象を巻き起こし、日本人アーティスト初となるミリオンダウンロードやミュージックビデオ数億回再生という空前の大記録を打ち立てました。
2020年代半ばにかけてリリースされたアルバム『LOST CORNER』には、スタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌『地球儀』や、テレビアニメ『チェンソーマン』の『KICK BACK』など、文化的文脈を背負った重要作が凝縮されました。CD不況が叫ばれて久しい現在の音楽ビジネスにおいて、フィジカルの売上とストリーミングの双方で異次元の数値を叩き出し続けています。