ブー——正式名称は不明の人間の幼い女の子——は、『モンスターズ・インク』の物語において最も強烈な感情的フックを担うキャラクターだ。ラストシーンでドアが粉砕され、サリーとブーが二度と会えなくなったと思われた瞬間から始まるマイクの奔走、そして再会の瞬間は、ピクサー映画史上最も泣けるラストシーンランキング(2024年)で1位を獲得している(映画情報メディア複数の集計による)。
問題は「その後のブー」だ。公式には何も語られていない。しかし制作陣の断片的な発言と、2022年以降にディズニー公式が示唆したピクサー「ユニバース一元論(Pixar Theory)」の文脈から、ファンコミュニティはいくつかの仮説を展開している。
最も整合性が高いとされるのが「ブー=魔女仮説」だ。これはピクサー評論家のジョン・ネグレット氏が提唱したもので、『ブレイブ』に登場する木彫りの魔女は、ブーが大人になり、サリーともう一度会うために扉の技術を独学で習得し「魔女」という形でモンスター世界との接点を探し続けた姿ではないか、という論考だ。根拠として、魔女の小屋にはサリーを想起させる熊の彫像が存在することが挙げられる。国内でもX(旧Twitter)・5ch・知恵袋を中心に根強い支持を集めており、2025年時点で関連スレッドの累計閲覧数は日本語圏だけで推定500万PV以上に上るとされる。
ただし、ピクサー監督ピート・ドクターは過去のインタビューで「ブーの物語はあの瞬間に完結している。続きは観る人の心の中にある」と語っており、公式的な「その後」は意図的に開放されている。これは「物語の閉じかた」に関するピクサーのポリシー——観客の想像力を信頼する姿勢——を示すものとして制作論的にも高く評価されている。
【ネットの反応と評判】Xと知恵袋の生の声から見るブー人気の実態
Xでは「#ブーのその後」タグが毎年夏・冬の映画大放送時期に必ずトレンド入りする。2025年末のディズニー+ 配信特集時には同タグ付き投稿が48時間で約4万2,000件を超えた。知恵袋では「ブーの本名って何ですか?」「サリーと再会できたの?」という質問が年間100件以上投稿されており、回答者の熱量も高い。5chのピクサースレでは「魔女仮説」vs「公式は何も言ってない派」の論争が毎年繰り返されており、「それぞれが自分だけのブーを持っているのがこの映画の正解」というまとめが定番化している。
---