ししとうを放任して育てると、無数に伸びた枝葉で株の内側が過密になり、日当たりと風通しが悪化して害虫の温床になります。定期的なハサミ入れこそが、長期多収を実現する最大のテクニックです。
最初の関門となるのがししとうのわき芽かきです。主枝の最初の花(1番花)がついた位置から、茎は自然と2〜3本の太い枝に分かれていきます。この「1番花のすぐ下から出る元気なわき芽」を2本残し、主枝と合わせて合計3本の太い枝を伸ばす「3本仕立て」が最もバランスの良い基本形です。それより下、つまり地際から1番花の下までの節から伸びてくる小さなわき芽は、栄養が分散するのを防ぐため、手で小さいうちにすべて摘み取ってください。下葉をスッキリと整理することで、泥はねによる病気侵入も劇的に抑えられます。
株が順調に育つと、次々と花が咲き誇りますが、ししとうの収穫時期における鉄則は「若もぎ」です。開花からおよそ15〜20日、実の長さが6〜8cmになった柔らかい段階で、ヘタの上を清潔なハサミで切り取って収穫します。最初の2〜3個(1番果・2番果)は、株に体力をつけさせるために長さ4〜5cm程度の小さいうちに早摘みしてしまうのが、その後の収穫量を爆発的に伸ばす秘訣です。
さらに、夏の終わりまで良質な実を収穫し続けるための奥義がししとうの摘心と切り戻しです。7月下旬から8月上旬にかけて、連日の猛暑で株全体がスタミナ切れを起こし、実のつきが悪くなったり変形果が増えたりします。この「なり疲れ」が見られたら、思い切って株全体の枝先を3分の1から2分の1程度の位置までハサミでバッサリと切り戻します。葉を数枚残した位置で枝を切り落とし(摘心・更新剪定)、同時に根元へ追肥とたっぷりの水を与えると、約2〜3週間後にはみずみずしい新芽が一斉に芽吹きます。これにより、9月中旬から10月下旬にかけて、柔らかく甘みのある上質な「秋ししとう」の2度目の収穫ピークを迎えることが可能になります。