現在ダイソーやセリアなどのペットコーナーで販売されている「LEDポインター(光るおもちゃ)」を手に取り、「これで会議のプレゼンも代用できるのでは」と考える人が後を絶ちません。しかし、光学的な原理と照射実験を行えば、その目論見は一瞬で崩れ去ります。
レーザー光は「コヒーレント光」と呼ばれ、波長と位相が完全に揃っているため、数十メートル離れた標的であっても光が拡散せず、極小の赤い輝点として視認できます。対して、100均で販売されているLED玩具は「インコヒーレント散乱光」です。照射口から離れるに従って急激に光が円状に拡散・減衰します。
実際にダイソーのペット用LEDライトを室内で点灯させると、50センチ〜1メートルの距離にある壁や床にネズミや魚のシルエットをぼんやり投影するのが限界です。明るいオフィスのプロジェクタースクリーンや液晶ディスプレイに対して5メートル離れた位置から照射しても、光が霧散してしまい、プレゼン資料の文字や図を指し示す役割は1ミリも果たせません。
また、猫の遊び道具として使う場合においても、本物の強力なレーザーポインターを通販などで無警戒に購入して使用することは推奨されません。海外製の安価な未認証レーザーの中には、法定制限(1mW)を大幅に超える出力が出ている粗悪品が流通しており、愛猫の目に反射光が誤って入っただけでも視覚障害のリスクが生じるからです。愛猫とのコミュニケーションには、ダイソー等の「100均LEDポインター」の光量こそが、適度に拡散して失明リスクが極めて低い安全な選択肢となります。