ネット上やSNSでも長年議論の的となるのが「なぜ静岡駅や浜松駅のような政令指定都市の駅を『のぞみ』が通過するのか」という点です。JR東海のダイヤ編成戦略および輸送統計データを紐解くと、そこには明確な運行上の必然性が存在します。
最大の理由は、東京〜名古屋・新大阪間の絶対的な速達需要への特化です。東海道新幹線の乗客の約7割以上は三大都市圏相互間を移動する長距離利用者で占められています。仮に静岡や浜松に「のぞみ」を1本でも停車させた場合、加減速と停車時間により所要時間が約5〜6分延伸します。最高時速285km/hで最短3分間隔の過密運行を行う東海道新幹線において、特定列車のスピードダウンは後続列車へのボトルネックとなり、1時間12本の「のぞみ12本ダイヤ」の維持を困難にします。
JR東海は静岡エリアへの対応として、静岡・浜松に停車する「ひかり」を1時間に各1〜2本設定し、東京〜静岡間を約1時間で直結させることで実質的な利便性を担保しています。通過は冷遇ではなく、路線全体の輸送密度を最大化するための高度なダイヤマネジメントの結果です。