「富士山は山梨県なのか、それとも静岡県なのか?」という問いに対する最も正確な回答は、「裾野から七合目付近までは両県にまたがって所属しているが、八合目以上はどちらの県でもない」となります。
行政区画上、富士山の山麓部分は山梨県(富士吉田市、鳴沢村など)と静岡県(富士宮市、富士市、御殿場市、小山町)に明確に分かれています。しかし、標高およそ3,360mを超える八合目から山頂(標高3,776mの剣ヶ峰を含むエリア)に関しては、境界線が一切確定していない「所属未定地」として扱われています。
国土地理院が発行する2万5千分の1地形図を見ても、山頂部には県境を示す破線が描かれていません。公的な行政境界が存在しないため、山頂そのものは「山梨県富士吉田市」でも「静岡県富士宮市」でもなく、法的にはいかなる都道府県・市町村にも属していない特殊な空間となっています。