群馬県吾妻郡草津町の中心街から少し高台へと上がった場所に位置するこの宿の玄関をくぐると、まず靴を脱ぐという行為そのものが非日常のプロローグとなる。館内は廊下、エレベーター、客室に至るまで一面の畳敷き。素足で歩く心地よさは、長旅で強張った身体を瞬時に解きほぐしてくれる。
館内随所に配された和の意匠は華美に過ぎず、木のぬくもりと陰翳を巧みに活かした落ち着きを演出。客室は和モダンの洗練された設えで、ベッドには上質な眠りを誘う寝具が配されている。畳の感触を素肌で感じながら過ごす時間は、日常の慌ただしさを完全に遮断するシェルターのようだ。