洗濯したばかりのタオルがピンク色に染まる現象には、明確な科学的理由が存在します。浴室のタイルの目地などで見かける「赤カビ」と同じく、主な原因は空気中や人の皮膚に常在している微生物の増殖です。代表的な原因菌として、以下の2種類が挙げられます。
ひとつは酵母菌の一種である「ロドトルラ」です。ロドトルラは水分とわずかな皮脂や石鹸カスがあれば猛烈なスピードで増殖し、自らが生成する色素によって繊維をピンクや赤褐色に染め上げます。もうひとつは細菌の一種である「セラチア菌」で、こちらも湿度の高い環境を好んで赤い色素(プロジギオシン)を産生します。
一般的な洗濯洗剤は、日常的な汗や泥汚れを落とす力には優れていますが、繊維の奥に根を張った菌を完全に除菌したり、菌が放出した色素を分解したりする力までは持っていません。そのため、普段通りに洗って乾かすだけでは菌が生き残り、洗濯を繰り返すたびにピンク色の変色が濃くなってしまうのです。