事件が起きたのは2006年4月28日に放送されたNHK教育(現Eテレ)の長寿番組『おかあさんといっしょ』でした。番組内のコーナーで、第19代目うたのおねえさんを務めていたはいだしょうこさんと、第10代目うたのおにいさんを務めていた今井ゆうぞうさんが、番組のマスコットキャラクター「スプー」の絵描き歌に挑戦したことがすべての始まりです。
絵描き歌は「♪まあるい たまごが ぱかっとわれて」という軽快な歌詞に合わせて、誰でも簡単に可愛らしいスプーが描けるよう作られたコーナーでした。ところが、はいださんが手元のフリップにペンを走らせるにつれ、画面の空気は一変します。丸いはずの輪郭から飛び出した異様なパーツ、ギザギザの口元、虚無を見つめる瞳。出来上がったのは、元の人形劇キャラクターとは似ても似つかない「未知の生命体」でした。
後に「はいだしょうこ スプー事件」や「おかあさんといっしょ最大の放送事故」としてネットカルチャーの金字塔となったこの一幕ですが、やらせや狙った演出は一切ありません。本人は至って真剣に、子どもたちに向けてお手本を描こうとした結果生まれたハプニングでした。この純粋無垢な意図と完成品の凄まじいギャップこそが、爆発的な笑いと驚きを生んだ真相です。