インターネット上やSNSでは、「認知特性に偏りがある=発達障害(ADHDやASD)なのではないか」と不安を抱く声も散見されます。しかし、認知特性診断と医学的な発達障害の診断は明確に異なります。
発達障害は、日常生活や社会生活において著しい機能障害や困難が生じている場合に、医師が一定の診断基準(DSM-5など)に基づいて総合的に下す医学的診断名です。一方で認知特性は、誰にでも存在する「脳の使い方の個性」や「得意・不得意のバランス」を指す概念にすぎません。
もちろん、発達障害の傾向を持つ方が強い認知の偏り(極端な視覚優位など)を併せ持っているケースは多く見られます。しかし、認知の偏りそのものが病気や異常を意味するわけではありません。「生きづらさ」の正体は能力の欠如ではなく、「自分の認知特性と周囲の環境・要求される作業形式がミスマッチを起こしていること」にあると正しく認識することが重要です。