阪神魚崎駅から徒歩数分。白壁の酒蔵が連なる路地に足を踏み入れると、タイムスリップしたかのような静けさが広がる。しかし、酒蔵の内部で起きている変化は極めて現代的だ。
「白鶴」や「菊正宗」をはじめとする銘柄の本拠地であるこのエリアでは、2026年に向けた脱炭素型の酒造り設備への刷新が一気となだれ込んだ。太陽光発電と水素エネルギーを組み合わせた醸造プロセスや、地元六甲山の保全活動と連動した「サステナブル日本酒」の発信が、欧米からのインバウンド客を惹きつけて止まない。老舗の仕込み水体験やペアリングイベントは週末ごとに賑わいを見せ、単なる観光スポットを超えたグローバルな発信拠点へと昇華している。